2025年7月30日

こんにちは!
高槻の歯医者、城南もちづき歯科こども歯科です。
ある日突然歯が欠けてしまった、すぐには歯医者に行けないしどうしよう、となったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。事故であったり詰め物の破損であったり理由は様々ですが、放置すると痛みが出たり、欠けた範囲が広がったりして症状が悪化することがあります。もし歯が欠けてしまった場合の応急処置の方法と、その後の歯科での治療をご紹介したいと思います。
1. 応急処置
① 歯の破片を探す
歯が欠けた場合、その破片は捨てずに保管して下さい。破片が乾燥しないように可能であれば生理食塩水、なければ牛乳に漬けてご来院下さい。破片を歯に接着して形態を回復できる可能性があります。
② 優しくうがいをする
口腔内を怪我している場合、細菌感染を起こす可能性があるため口の中の汚れを落とすためぬるま湯かお水で優しくうがいをして下さい。あまり強くうがいをしすぎると出血する場合がありますので注意が必要です。
③ 出血がある場合
口腔内の粘膜の損傷により出血がある場合、清潔なガーゼや布で圧迫して下さい。通常であれば数分で血は止まります。傷が深い場合は縫合しないと血が止まらない場合もありますので、その場合は速やかな受診が必要です。
④ 痛みや腫れがある場合
痛みがある場合は市販の鎮痛薬を内服して頂くと症状が和らぎます。ただし腎臓や肝臓の機能が低下している場合、服用できない鎮痛薬もありますので、その場合はかかりつけの医師か歯科医師へお問い合わせ下さい。
2. 歯科医院での治療方法
欠けた歯の状態に応じて、以下の治療法が選ばれます。
折れた欠片がある場合
・欠片を元の位置に戻して接着します。欠片が乾燥している場合、接着した直後はその部分が白く見える場合があります。通常は時間経過によって目立たなくなりますが、色の違いが気になる場合は他の治療法の検討が必要です。
・コンポジットレジン修復
欠けた部分を樹脂(コンポジットレジン)で埋める方法です。保険診療ですが見た目を白く、違和感の少ない形にすることが出来ます。
中程度以上の欠けの場合
・クラウン(被せ物)
欠けた部分が大きい場合、歯全体を覆うクラウンを装着します。素材はセラミックやメタル、ジルコニアなどがあります。
・インレー(部分的な詰め物)
クラウンにするほど大きな欠けでない場合、部分的な詰め物が選択される場合もあります。通常は銀歯ですが、セラミックの詰め物にすることも可能です。
・ダイレクトボンド
欠けた部分が大きい場合でも、直接セラミック含有のレジンで形態を回復出来る場合もあります。
神経が露出している場合
・根管治療
神経がお口の中に露出してしまい、神経に感染を起こしている場合は歯の神経を取る治療(根幹治療)が必要です。神経を取った歯は通常、杭を打って被せものを入れる、いわゆる差し歯の治療になることがほとんどです。
歯が根元から完全に折れてしまった場合
・抜歯して抜けた部分を補う治療
歯が根元から完全に折れてしまった場合、その歯を抜く以外に治療法がない場合も残念ながらあります。抜けた所を補う方法としては基本天気に義歯(入れ歯)、ブリッジ、インプラントの三つがあります。その他には直接セラミックの詰め物を流して接着するダイレクトボンド修復といった方法もあります。(前歯部のみ)
前
3. 注意点とアフターケア
速やかに歯科医に相談
欠けた範囲によって様々な治療の選択肢があります。求められる審美性や治療にかける費用によっても仕上がりは異なってきますので、かかりつけの歯科医師とよく相談して治療法を決める必要があります。
定期的な検診を受ける
治療後はその部分が再度欠けていないか、虫歯になっていないかなどのチェックが必要になりますので、定期的に歯科医院を受診して下さい。
4. 歯が欠けるのを防ぐための予防策
マウスピースの装着
スポーツをされる方、特にコンタクトスポーツをされる方は歯を損傷するリスクが高くなります。スポーツ用のマウスピースがありますので、着用が望まれます。
歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)の癖がある方は、どうしても歯がすり減って欠けやすくなります。日中食いしばり等がある方は意識的に辞めると良いでしょう。寝ているときに無意識に歯ぎしりがある方は、寝ている時用のマウスピース(ナイトガード)の作製がお勧めです。保険診療で3,000円程度で作る事が出来ます。
極端に硬いものを噛むのは避ける
必要以上に気を付ける必要はないと思いますが、常識の範囲を超えた硬いものを噛むのは避けた方が良いです。
まとめ
突然歯が欠けたらびっくりされると思います。特に前歯が欠けた場合はショックを受けられると思いますが、あせらず上記のような応急処置をして下さい。その後はできるだけ早くかかりつけ歯科医に受診することが望まれます。治療方法は欠けた範囲やその周囲の歯の状況、噛み合わせの強さによって大きく異なりますので、良くご相談して下さい。